04年GW九州第三部

5月4日(火)

 昨日の晩から続いた強風は朝まで続き、バタバタと風に煽られるテントの中で寝不足のまま朝を迎えました。朝5時頃、強風の中テントの外に出てみると、まわりのサイトの人たちはイソイソと撤収を開始しています。まだ寝ている所でも、ほとんどタープは夜のうちに片づけたみたいで、テントのみとなっていました。7時頃となると、地元のキャンパーはほとんど撤収を完了し、区画サイトに残っているのは、隣のファミリーと我が家だけになっていました。この頃から風は収まってきましたが、その変わりに今度はものすごい雨が降ってきました。


大雨なのでテントで停滞中
 この雨でテントから出ることが出来ず、朝寝を決め込むことにしました。本当なら今日は開聞岳に登山する予定でしたが、こんな天気なのでとても登ることはできません。タープも破れてしまって使い物にならないので、今日は雨が一段落したら、指宿へ安物のタープの買いだしと、東京の母がぜひ行って欲しいと言っていた知覧の「平和記念館」に行ってみることにしました。外はすごい雨ですが、テントが雨漏りさえしなければ、強風よりはずっと安心です。

 10時ころになると雨も峠を越したので、テントから出て指宿に向けてキャンプ場を出発しました。指宿に着いてまず入ったのが大きなスーパーでしたが、目的のタープは残念ながらおいていません。ここでホームセンターの場所を教えてもらい行ってみましたが、キャンプ道具はあるものの、普通のタープは扱っていません。仕方なく鹿児島まで行く覚悟を決めて、指宿を後にしようと北上を始めると、今度はディスカウントショップを発見。釣り具も扱っているのでもしかしたら、と思いダメモトで入ってみると、念願のタープを発見しました。それも破れてしまったタープを小振りにした四角いタイプで、価格も3,000円を切っています。残り1個となっていたこのタープを抱きしめたコトは言うまでもありません。タープも購入し時計を見るとちょうどお昼です。


指宿の金ちゃんラーメン
 せっかくだから指宿で食事をしようと、おいしそうなお店を探していると、「金ちゃんラーメン」が地元の人で賑わっているのを発見。すかさずお店に入ると5人くらいが席が空くのを待っています。10分ほど待って頼んだラーメンは、とんこつラーメンと黒味噌ラーメン。出てきたラーメンはさすが地元の人で賑わっているだけあって、とんこつ、黒味噌ともにとってもコクがあって、すごくおいしかったので幸せな気分のうちに食べ終わりました。

とんこつラーメン

黒味噌ラーメン

 ラーメンに満足すると次は知覧に向かいます。知覧は指宿から40分ほどですが、ここには太平洋戦争時に軍用の飛行場があり、太平洋戦争末期には特攻隊が出撃していった場所なのです。その知覧に特攻隊の資料を集めた平和記念館があるので、ここに行ってみることにしました。指宿スカイラインは途中からキリで前がほとんど見えないほど視界が悪い中、無事に知覧に到着。駐車場はほぼ一杯でかなりの人が来ています。記念碑を見た後で大人500円、子供250円の入館料を払い館内へ。


記念碑前で

平和記念館

隊員が出撃前に宿泊していた三角兵舎
 館内には実物の戦闘機や、出撃前に実際に書かれた手紙など胸を締め付けられるものが数多く展示されていました。ありきたりの言葉で感想を書くことはできませんが、悲しい過去を決して風化させないために、一度は見ておかなくてはならないものであることは間違いないと思います。自分も含めてみんなで、今の時代に生きている幸せをつくづく実感しました。

 知覧を後にしてキャンプ場に戻り、買ったばかりのタープを設営してみると、やっぱり安物だけあって、生地はビニールシートと同じ素材で風が吹くとバリバリと音が出そうです。ただ残りの九州4泊限定なのでヨシとしましょう。タープも設営すると今後の日程を考えてみました。本当なら今日開聞岳を登って、明日は早朝に撤収し、高速移動して長崎観光の後にハウステンボス近くのキャンプ場に宿泊する予定でした。明日の天気予報を見ると晴れとなっています。このまま開聞岳登山を諦めたくないので、明日は早朝に撤収を完了し、開聞岳を登山の後に長崎に向かって行けるところまで行くことにしました。夕食を食べ終わり焚き火を楽しんだ後に、タープの下にあるものはすべて片づけ明日の登山に備えて早めに就寝しました。ただ、隣のサイトのファミリーが夜12時頃まで大声でしゃべっていたので、時々その声で目を覚ますことになり、不愉快な夜になってしまいました。


半日ぶりに復活したリビング

焚き火の前のお喋りは続く・・・

5月5日(水)

 朝5時過ぎに起きると、予報では快晴のはずなのに空は雲に覆われています。開聞岳の山頂にもガスがかかり山頂を見ることができません。それでも東の空から太陽が昇り始めると、徐々に雲も薄くなって行きそうな感じです。


山頂にガスがかかった開聞岳

東の空が赤く染まった日の出

 朝7時に撤収を完了させ、車をふれあい公園管理棟の駐車場に移動して、開聞岳登山が始まりました。私が2リットルのペットボトルを2本と4人分のカッパを、Keikoさんが2リットルのペットボトル1本とおやつを背負っての出発です。開聞岳登山口は2合目にあって標高は約200m。開聞岳の山頂は924mなので標高差700mを3.5kmかけて登っていきます。


これから登る開聞岳をバックに

2合目の登山口

 登山開始をして30分ほどで3合目に到着。この頃からしおりに元気がなくなってきて、なにやら苦しそうな顔してみます。3.5合に着くと「お腹が痛くて気持ちが悪い」と言って泣き出してしまいました。そんなしおりをKeikoさんが明るく励まして、何とか登山を続行。5合目に到着すると視界が開け、素晴らしい景色を見ることができます。しおりも苦しいながらもなんとか登ってきました。


4合目で休憩中

5合目からの素晴らしい眺め

 苦しそうなしおりを見て「何とかならないものか」と思い、とりあえず気分転換に飴を舐めてみることに。Keikoさんが出してきたのは「ミラクル」とか言う聞いたことのないもの。「この飴を舐めたらミラクルが起きてしおりの調子の良くなって欲しいね」などと話し「飴なんかいらない!」と拒むしおりの口へ半ば強制的に放り込み、5合目を出発しました。歩き出して10分もすると、本当にミラクルが起き始めたようで、少しずつしおりの表情が明るくなってきたようです。少しずつ明るくなってきたしおりにホッとしながら、6合目、7合目と約1時間かけて登ってきました。7合目を過ぎると、眼下にすばらしい景色が広がり、下山してきた方に山頂の様子を聞いてみると、「ガスもとれて最高だよ!」。これを聞いたら、もう山頂まで行くしかありません。


7合目にて。まだ辛そうなしおり

7合目付近のすばらしい眺め

 7合目から山頂まであと1.1km。8合目を過ぎると岩場も増えてきて、気力的にも体力的にも辛くなってくるころです。ゆっくりと転倒に気を付けながら登っていくと、7合目から40分ほどでようやく9合目に到着。ここで最後の休憩となりました。ここからは、はしご登りあり、岩場ありと最後の難関が待ち受けています。


しおりに笑顔が戻った9合目

かなり登ってきたのが分かります。

 9合目からは残り400m。ここまで来るとあとは一気に山頂を目指し登るしかありません。最初の難関のはしご登りも、はしごにロープが張ってあるので、ロープをつかんで登れば危険なことはありません。


はしごを登る正樹

しおりとKeikoさんも順調にクリア

 はしごをすぎて10分ほどで、山頂まであと55mという立て札あると、今度は岩場登りが待っています。この岩場を登るといよいよ山頂が待っています。


これから登る最後の岩場

もうすぐ山頂だよ!

 岩にはいつくばるようにして登り切り、左手の赤い鳥居をすぎると、とうとう山頂に到着しました。2合目を出発して約3時間。登山口に書いてあった子供の登山時間とぴったり同じ所要時間で登ってきました。山頂からの景色は「すばらしい!」の一言。本当に家族全員が山頂まで登ることが出来て良かった!


開聞岳に登頂成功!池田湖をバックに

山川(と思われる)町並み

 すっかり元気になったしおりと、元気いっぱいに登ってきた正樹も、山頂に到達できた達成感が顔に出てとっても満足そうです。この達成感を味わえるのが、登山の良いところだとつくづく感じました。山頂でしか見られない景色を思う存分味わい、20分ほどの滞在の後で下山を開始しました。


山頂直下の岩場を下る女性陣
 はいつくばって登った岩場を、今度は慎重に下ると、あとはマイペースでゆっくりと下って行きます。登りより確かに下りの方がラクですが、登りで頑張ってくれた足が言うことをきかなり、踏ん張りがきかず転倒しやすくなります。よく「足が笑う」と言いますが、まさにその状態となり、Keikoさんと正樹が数回ズルッと転倒。登りでは一番元気のなかったしおりが、下りでは一番しっかりした足取りなのが不思議です。

ズルッと転倒したKeikoさん

正樹も岩につまずいて転倒

 途中で何人もの登山者に抜かれながらマイペースで下山し、約2時間かけてようやく2合目の登山口に到着。ここで我が家の百名山初登山は無事終了しました。子供達の満足そうな笑顔が見られて、本当に登ってヨカッタ!と実感しました。


2合目の登山口に到着

今登ってきた開聞岳をバックに

登山証明書

 ふれあい公園の売店で登山証明書をもらい、開聞岳ではもう思い残すことはありません。車に荷物を積み込み、開聞岳の麓を出発したのは1時頃になっていました。ここからは長崎に向かって行けるところまで行くつもりです。開聞町から池田湖を通り、指宿スカイラインを経由して九州道へ。指宿スカイラインに入る頃には天気は快晴となり、時折眼下に海を見ながら楽しいドライブです。


指宿スカイライン
 時間がないので車中でパンをかじりながら、指宿スカイラインを走り抜け鹿児島ICから九州道へ。九州道に入る頃に熊本から島原に渡るフェリー会社に時刻を確認すると、九州商船(通常のフェリーで所用時間は1時間)が16時05分発があって、比較的空いているので30分前に到着すれば乗船可能。オーシャンアロー(高速船で所要時間は30分、料金は九州商船とほぼ同額)が16時40分でかなり混んでいて1時間前なら乗船可能ということでした。

 高速もこの先渋滞していないので、遅くとも16時40分のオーシャンアローには乗れそうです。この時点で今日の宿泊先は雲仙にすることに決めて、ひたすら熊本に向けて北上を続けます。鹿児島ICから熊本の南にある松橋ICまでの150kmを休憩無しで走りきり、熊本港に着いたのは15時40分でした。九州商船の16時05分に乗船可能という事を確認の上、窓口でチケットを購入し売店を少し見始めた頃に乗船開始のアナウンスです。乗船したのは定刻の16時05分に近くで、車を止めるとすぐに出港となりました。


九州商船フェリーに乗船

フェリーから見た阿蘇の山並み

 熊本港を出港すると海の上から阿蘇の山並みが見えてきました。さらに数分すると今度は16時40分熊本発となるオーシャンアローとすれ違い、そのカッコイイ姿に「あっちに乗ればヨカッタ!」と少し後悔です。熊本に来ると、鹿児島よりも気温が下がるようで、半袖では寒くなってきた頃に船室に入り、お菓子などを食べながらのんびりしていると早くも島原港が見えてきました。


すれ違ったオーシャンアロー

海の向こうに雲仙が近づいてきました。

 島原港に到着し10分ほど待たされた後で島原に上陸。雲仙に向けて車を走らせると、島原港には後から出発したオーシャンアローもすでに到着していました。こんな事なら、熊本港でゆっくりお土産でも見てから、オーシャンアローに乗った方が良かったようです。気を取り直して雲仙オートキャンプ場に向けて国道57号の坂道を登り始めました。雲仙オートキャンプ場には一応電話して行くことを告げてあります。島原を出発して40分程で、キャンプ場があると思われる場所に到着しましたが、パットゴルフ場はありますが、肝心のキャンプ場は見あたりません。周囲をウロウロしても見つからないので電話で聞いてみるとパットゴルフの中にあるとのこと。


雲仙オートキャンプ場のフリーサイト
 そう言われてパットゴルフの中に入ってみるとたしかにありました。区画サイトには明日から学校が始まるというだけあって、テントを張っているのは一家族だけでした。ここの区画サイトは非常に高いので、もちろん我が家はフリーサイトです。受付を済ませ案内されたフリーサイトは、簡易トイレと炊事場しかない、傾斜のある芝生でした。ここに泊まるのに4,000円弱も払うのか!!と私はかなりコワイ顔になっていた、とは後から聞いた家族の証言です。それでもほぼ貸し切りのフリーサイトに設営をしてみると、それほど悪くはないように見えてくるのが不思議です。
 今日も男性陣はテントとタープの設営、女性陣は買い物と時間を有効に使い、7時過ぎにはキャンプ場にあるシャワーで汗を流して食事の準備を開始できました。雲仙は標高が高く、鹿児島よりかなり北に上がってきたので、夜はものすごく冷え込んできました。焚き火にあたりながら、体を温めてとっても静かなキャンプ場で早めに就寝となりました。

つづく

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