寝台特急富士で行く九州大分中津市

 フェリーが大好きで旅行と言えば船旅ばかりだった私ですが、仕事ながらも寝台特急に乗る機会に恵まれたなら、やっぱりデジカメ持ってレポを作らなければ!と言うことでデジカメ持って取材(笑)も兼ねて寝台特急に乗車することにしました。今回利用したのは東京から大分を結ぶ寝台特急富士。この寝台特急は私が小学校の時、東京から山口まで利用した事がある思い出ある列車で、その当時は東京から西鹿児島まで24時間掛けて走っていました。今から30年近い前の事だけど、寝台車で寝て朝起きて食堂車で朝食を食べた思い出は、今でもかなり強く残っていて、今回も富士号に乗車出来るのはかなり楽しみにしていました。出張が決まってからインターネットで事前調査(笑)をしてみると、B寝台の料金でB寝台個室(ソロ)を利用出来ることを発見し、すかさず個室を予約。さらにこの寝台特急には食堂車も、車内販売もないとの事でお弁当を持参しないと夕飯も食べられないと言う悲しい事実も判明。

2月15日(火)


8号車11番(ソロ)に個室に予約完了
 事前調査結果を踏まえて駅に行く前に、コンビニで弁当を買って行くことにして当日は夕方まで会社で仕事。19時前に自宅に帰ってシャワーを浴びて自宅を出たのは19時半過ぎ。駅に行く途中のコンビニでしっかりと、おつまみと明日の朝食を買い込んで在来線に乗って浜松へ。

 浜松の駅では缶ビール3本を購入。これで乗車の準備は完了です。寝台特急の車内にもビールの販売機くらいはあるとはずだから、「最初の1本くらいを買っておけばいいや」と思ったのだけど、念のために多めに、と思って3本も買ったことが後になって大正解になるとはこのとき全く考えもしませんでした。ビールも購入し準備万端整えて浜松駅のホームに上がると富士号到着の3分前。だけど富士号を待つ乗客は、一緒に出張に行くトツカさんと私くらいしかいないのは気のせいかな?ホームでデジカメを構えて待っていると、すぐに富士号は浜松駅の4番線ホームに滑り込んできました。8号車の乗り場で待っていると、自動ドアが開きいよいよ富士号の車内へ。


浜松駅に入ってきた富士号大分行き

SOLOと書かれた8号車入り口
 8号車の通路に入ると、進行方向左側が通路と、右側には個室のドアとなっています。指定された11号室に入ると、この部屋は1階になっていて、ベット兼座席は進行方向を向いているので、大分行きに乗車するときは部屋番号が奇数の1階に乗車した方が良さそうです。

 ちなみに偶数の部屋番号は2階になっていて、こちらは東京行きに乗車するときは座席が進行方向に向くので、東京行きに乗るときは偶数の部屋番号を予約した方が良さそうです。なにしろ進行方向の反対側に向かって座って10時間も乗っているのはかなりキツいものがあるはずなので。


進行方向右側に個室のドアが並ぶ8号車通路

8号車11号室のB寝台個室(1階)内部

 11号室に入ってみると横幅は1.5m、縦が2.5mくらいの広さでかなり狭い感じ。さらに100Vのコンセントくらいあると思って携帯を充電して来なかったのだけど、どこを探してもコンセントは見つからず携帯の充電は諦めるしかなさそうです。室内には部屋のカギと浴衣。あとは目覚まし付きのデジタル時計と空調と照明のスイッチという必要最小限の装備のみ。もちろんテレビや洗面などはあるはずもなく、本当にただ寝るだけ、と言った感じです。部屋の中をきょろきょろ見ていると、じきにドアがノックされ車掌さんが検札に回ってきました。車掌さんはとっても感じが良く、「何か分からないことがあったら車掌室まで」と言いながら切符確認し去っていきました。ちなみに、この富士号は2名の車掌さんが乗車しているようです。検札が終わると部屋でネクタイなどを外してから、トツカさんと二人で宴会〜、と言うことで5号車のロビーカーへ。途中普通のB寝台である7号車と6号車を通りましたが、こちらは本当に通路の脇にベッドがあって個室に比べると、かなり快適度は落ちそうな感じ。ガラガラなら我慢は出来るけど、満員ならちょっと遠慮したい所です。


B寝台1階部分

B寝台2階部分

 このB寝台はフェリーの2等寝台と同じようなもの、と思っていたけどそれは大きな間違いのようです。何しろ寝台特急のB寝台は、目の前数10cmには他人のベッドがあって寝ていない時は、常にその人と顔を合わせていなければいけないし、2階になるとくつろぐスペースもない。昔はこれしかなかったから、これが当たり前だったかもしれないけど、個室が出来た今となってみれば、B寝台個室が取れなかったら、とっても乗る気はしない、と言っても言い過ぎではないかもしれません。そんな状況なので8号車から歩き出して7号車、6号車と通り過ぎたけど、乗客は1人のみ・・・新幹線の「のぞみ」が出来た今では本当に好き者しか乗らない列車になってしまったのかもしれません。そんなわびしい気持ちになりながら5号車のロビーカーに到着。ここの入り口には公衆電話があるけど、これも携帯電話が普及した現在なので、あまり使われていないような感じ。


ガラガラの7号車B寝台

ロビーカーにあるカード式公衆電話

 ロビーカーに入ると、ゆったりとくつろぐことが出来そうなソファーと、昔はアルコールなどを販売していたと思われるカウンターが目に入ってきます。ここならゆっくりとお酒を飲みながらノンビリ出来そうです。ソファーに座って、カンパーイ〜の前に一応お酒の自販機を確認、と5号車の進行方向前よりの自販機のスペースに行ってみると見ると「ナイ!!!」。一応自販機はあるけど、お酒の自販機がナイのです。


ソファーが並ぶロビーカー

自販機あるけどお酒がナイ!

 「浜松で多めにビールを買ってヨカッタ〜」と思いながらトツカさんとカンパ〜イ。ロビーカーの大きめの窓の外には、町のネオンや街灯がちょうどいいスピードで流れていって、これはなかなか良い気分。ただ客車自体がかなり古いので、小刻みな揺れがかなりあって熟睡するためにはかなりの量のお酒を飲まないと眠れそうにないかもしれません。


閑散としていた名古屋駅
 それでもある程度お酒が入ると、この揺れも快適に思えてくるのが不思議な所です。そうこうしていると浜松を出てから最初の停車駅である名古屋に21時半過ぎに到着。21時半と言うとまだ駅は賑わっているはずなのに、富士号が停車したホームだけが人がいないのか分からないけどかなり閑散としていました。こんな感じなので、富士号に乗る乗客もほとんどいないまま名古屋を出発。

 この寝台特急は普通の電車と違って、先頭の電気機関車が寝台車を引っ張っているので、停車時からの動き出しの時にガツン!と後続の寝台車に衝撃が来るのは仕方ないこと。しかしこのガツン!が思ったより激しくて、寝ているときにこれがあると、ちょっとツライかもしれません。ただ富士号は大阪を12時前に出発すると次の停車駅は、山口県の厚狭で約6時間半は停車しないのでこの時間に熟睡出来れば大丈夫でしょう。名古屋を出発すると1時間ほどで米原に到着。米原では金沢行きの特急「しらさき65号」がホームで出発を待っている姿を見ることができました。ただし米原は富士号の停車駅ではないので、時間調整のタメに止まっていたようです。


米原には10時半過ぎに到着

金沢行き特急「しらさぎ65号」

 米原を出発すると次は京都に停車。京都には23時半前に到着するのだけど、実は東京からは20時50分の「のぞみ」に乗れば、京都で富士号に追いつき京都から富士号に乗車する事が出来るのです。富士号が東京を出るのが16時56分。新幹線で京都まで来れば、なんと4時間も後に東京を出発しても間に合ってしまう事になります。そんな事で京都では、たくさんの乗客が富士号に乗車してきました。それでもガラガラであることは変わりませんが・・・。京都の次は大阪に到着。大阪には24時ちょっと前に到着しましたが、大阪駅にはかなりの人で賑わっています。やっぱり終電に近づくと駅は混雑するようです。


京都には23時半頃到着

24時前なのにかなりの人がいる大阪駅

8号車の洗面所
 大阪に到着する前に洗面所で歯を磨いて、睡眠モードに入り大阪を出発するとカーテンを締めて「おやすみ〜」。大阪を出発してすぐに三宮に停車するはずですが、なぜか記憶にありません。そんなにすぐに熟睡出来るはずがないのですごく不思議なのです。カーテンを締めて横になると、やっぱり小刻みの振動がかなり気になり、こんなんで熟睡出来るのかな〜、と不安になるほど。さらに最初は通路側に頭を向けていたら、通路を通る人の足音や、別の部屋のドアを開け閉めする音が思った以上に大きく、さらに途中から寒くなって暖房を入れたらファンが通路側にあって、これが思った以上にウルサイ!そんな事で途中から窓側に頭を向けたらようやく眠れそうな感じになってきました。

2月16日(水)

 眠れないな〜などと思いながらも、気がつくと6時を過ぎていて、6時20分には「あと20分ほどで山口県の厚狭に到着です。」という車内放送で目が覚めました。でも時刻表には6時10分に新山口に停車となっているのになぜ止まらなかったのか、夜中の三宮に続いて、とっても不思議なのです。そんな事を思っているとすぐに厚狭に到着。まだこの時点は天気が悪いせいもあるけど薄暗いまま。厚狭を出発すると次は本州最後の駅となる下関へ。このあたりからようやく明るくなり始め、下関到着の7時10分には完全に明るくなってきました。この下関では電気機関車の付け替え作業のため5分間停車となり、唯一ホームの売店で買い物が出来る場所です。下関到着前の車内放送で、「売店は7号車付近にあります。」と案内があるので朝食を買い忘れた人は、事前に7号車付近に移動して方が焦らずに買い物が出来るでしょう。


明るくなった頃に下関へ到着

7号車付近の売店

 下関で電気機関車を付け替えた富士号は7時45分に下関を出発。出発するとすぐに関門トンネルへ入り10分もしないで福岡県の門司駅に到着。ここでも機関車の付け替えで5分停車しますが、門司では売店がホームに無いのか分かりませんが買い物はできないみたいです。


門司に停車中のJR九州の電車
 この時間になると門司駅のホームには通勤や通学の人もかなりいて、珍しいそうに寝台特急を見ているので、とってもカーテンを開けてはいられません。九州に来ると明らかにJR九州と分かる電車になるので、それだけど九州に来たな〜と分かるのがウレシイところなのです。

 門司を出発するとすぐに小倉に到着。ここまで来ると目的地の中津まであと40分ほど。ここまでで既に11時間以上富士号に乗車していますが、途中寝ていることもあってそれほど長く乗っているという感覚はありません。小倉を出て行橋に停車すると、いよいよ中津に到着する時間が迫ってきました。門司を出た頃に、昨日持ち込んだオニギリやパンを食べて、着替えと洗面を済ませて下車の準備も万端整えた頃に富士号は定刻通りに大分県の中津駅に到着。これで12時間の寝台特急の旅は無事に終了しました。


12時間乗車した8号車B寝台ソロから下車

中津を出発した富士号

 中津を出発する富士号を見送り、ふ〜っと大きく深呼吸をして気持ちを仕事モードに切り替え中津駅の改札を出たのでした。寝台特急を降りてみて思うことは、思ったよりは寝られたけど何度も乗りたいととも思わない、です。この富士号は寝台車自体が非常に古く、乗り心地はお世辞にも良いとは言えません。これが東京から北海道に行っている北斗星や、電車寝台でものすごく人気の高いカシオペアであれば最新の車両を使っているので乗り心地は全然違うはず。今度はカシオペアに乗ってみたい気はするけど、やっぱりプライベートで旅行をするなら、間違いなくフェリーを選ぶでしょう。フェリーの良さを再認識させてくれた寝台特急の旅であったとも言える乗車体験でした。

おまけ1  中津名物ハモ料理に舌鼓の巻

 午前中に中津での仕事が終わり、午後には広島へ行くというハードな日程の中で、昼食は中津名物のハモ料理を食べようと、九州に転勤になったばかりのババちゃんに連れられて行ったのが、中津駅近くの瑠璃京という鱧(はも)料理店。


中津駅長お勧めの鱧(はも)料理

中津駅近くの鱧料理店 瑠璃京

 ここでは鱧料理のランチがある、と聞いて言ったけど割安なランチは鱧料理では無いことが判明(笑)。

 3人でどうしようか悩んだあげく決まったのが「はも御膳」3,000円也。「え〜!!昼からこんなに贅沢な料理食べるの〜」と思いながらも、食べると決めたからにはかなり楽しみです。料理の内容を見ると、鱧シュウマイからお刺身、しゃぶしゃぶと本当の鱧づくしのフルコースなのです。これを1品ずつ注文していたら、たぶん5,000円以上になってしまうでしょう。だからこの「はも御膳」は3,000円と高いようだけど、かなりオトクみたいです。

 そんな事で期待に胸を膨らまして待っていると、最初に出てきたのが鱧の湯通し。まずは鱧の上に乗っている酢味噌で食べると、何とも言えない食感とあっさりとした鱧の味でとにかく「ウマイ!!」。次に横にある梅の付け汁につけて食べても、また違う味わいがあってこっちもかなりイケます。湯通しを食べてかなり舞い上がってしまった状態で、次に出てきたのがウニの小鉢。これももう絶品で笑いが止まらないくらいなのです。


最初は鱧の湯通しから

2番目はウニの小鉢

 ウニの次は鱧のお刺身です。とにかく鱧という魚を生で食べるのは始めてだけど、こんなにプリっ!とした歯ごたえで、何とも例えようもないような、おいしいものとは全く想像出来ませんでした。お刺身もそれほどおいしくてどうしましょう〜、と思っていたら次に出てきたのが揚げ物。こちらの鱧の天ぷらはお塩をつけて食べるのだけど、天ぷらもまた生とは違う感覚でこちらもかなりイケるのです。


3番目の料理はお刺身〜

天ぷらもかなりイケます

 天ぷらを食べると次は僕の大好きな茶碗蒸し〜♪。この茶碗蒸しはちょっと変わっていて、中に梅が入っていました。さらに目の前のコンロでは、そろそろ鱧シュウマイがちょうど食べ頃になったような感じ。フタを取ると湯気とともに、黄色っぽいシュウマイがかなりウマソ〜な状態です。ハフハフしながら大きめのシュウマイを一口で食べると、かなりまろやかなお味で、もうどうにもトマラナイ〜♪(笑)


ちょっと変わっていた茶碗蒸し

瑠璃京の鱧シュウマイは有名みたい

 これだけでも大満足なのに、まだまだ豪華な料理は続くのです。シュウマイの次は、これも僕が大好きな土瓶蒸し〜。もちろん中には鱧が入っていて、不思議と鱧が土瓶蒸しにバッチリ合うらしくこれまた絶品。土瓶蒸しの次に出てきたのがキモの料理。キモも上にかかっているゴマダレにバッチリを合っていてかなりのもの。


鱧の土瓶蒸し

こちらは鱧のキモ

 もうこれでお腹イッパイ〜、と思ったら、今度は目の前のコンロに火が入り、コンロの上の銀の皿にお湯が注がれると「鱧のしゃぶしゃぶ」の始まり〜。うどんと野菜を先に入れ、鱧は沸騰したお湯にしゃぶしゃぶとしてから、タレにつけて一口食べると「コリっ!」とした食感は今までに無い感覚。味も最高で本当に言うことナシ!


これが鱧のしゃぶしゃぶ一式

透き通った鱧は、しゃぶしゃぶすると白色に

 鱧しゃぶに満足するともうお腹ははち切れんばかり。でも最後には小さい魚の卵が乗ったおいしいご飯が出てくるし、さらにデザートにはぜんざいまで用意されていて、本当に食べ終わったらお腹イッパイ〜。これで3,000円ならかなりオトクであることは間違いないでしょう。


仕上げは小さい魚の卵が乗ったご飯

さらにデザートにはぜんざいが

 初めて食べた鱧料理だったけど、これほどおいしいものとは思わなかったというのが正直な感想です。大分県中津市に行ったら、食べてみる価値大であることは間違いないでしょう。

大分県中津市の鱧料理店 瑠璃京さんのホームページ

おまけ2  海田市駅近くで広島風お好み焼きでお腹イッパイ〜の巻

 中津の鱧料理でお腹イッパイ〜になった後に、日豊本線の特急ソニック、山陽新幹線の700系「のぞみ」に乗って広島へ。広島の海田市近くで午後の打ち合わせが終わると、広島始発の「のぞみ」に接続する山陽本線の時間まであと35分あります。ここであまりお腹が減っていないのに、11月にも行った海田市駅近くの地元の人しか知らないようなお好み焼き屋さんへ。ここは11月に来たときに、その味とボリュームの凄さ、そして料金の安さにとにかく驚かされたお店なのです。


JR九州の特急ソニック

山陽新幹線の700系「ひかりレールスター」

 35分あれば何とか食べられるはず、と思ってお店に入り注文したのは「肉たまそば」500円。この肉たまそばは、普通のお好み焼きに豚肉と卵、そして焼きそばを追加したもの。目の前で山盛りのお好み焼きが焼かれ出したのを見て、トツカさんはビックリ〜。


海田市駅近くのお好み焼き屋さん

目の前で焼き始めた特大のお好み焼き

 この特大のお好み焼きは途中で裏返され、最後は重しを乗せて押しつぶした後にソースを塗って半分に折られると出来上がり〜、となります。これだけ大きいと焼くのもそれなりに時間がかかって、出てきたのは電車の発車時刻の15分前。これだけの大きさでアツアツのお好み焼きを10分で食べるのはムリかな〜、と思いながらも金属のヘラを使って、味わいながらも急いで食べ始めると、11月の感動がよみがえってきて「ウマイ〜!!」


裏返して重しを乗せて潰します。

最後に半分に折って出来上がり〜

 おいしいお好み焼きを味わいながらも急いで食べて、食べ終わったのは電車発車時刻の3分前。それでも駅まで近いのでギリギリセーフで間に合い、無事に広島駅でも広島始発の「のぞみ」に乗れて自宅に帰り着いたのは21時過ぎ。もちろん広島のお好み焼きでお腹イッパイ〜なので、新幹線の中でのビールはナシ!(笑)でした。
 最後に今回のメインはもちろん、中津と広島での打ち合わせであり、中津の鱧料理も海田市のお好み焼きも時間がちょうどあって、たまたま食べられただけであり、事前に計画されていたものでは無い事を、誤解が無いように最後に付け加えておきます。

おしまい

船旅の勧めへ   HOMEへ