東日本海フェリー利礼三角航路乗船記(2005年8月)

はじめに

 北海道から利尻・礼文に行くのに一番良く使われるのが、東日本海フェリーの利礼航路。我が家が北海道に行き始めて8年間は、興味はあったもののクルマを持ち込むにはあまりにも高い運賃の為、一度も利尻・礼文に渡ったことはありませんでした。しかし2005年の夏は最初から利尻・礼文しか行かない計画とし、北海道への往復のフェリーの予約が取れた時点で、利尻・礼文行きフェリーの乗用車の予約も完了。この航路はクルマと1等のみ予約が出来るのですが、2等については予約が出来ないけど、旅行会社には家族分の運賃まで全て支払いを完了し北海道旅行の日を迎えたのでした。

8月9日(月)稚内→利尻島鴛泊行き15便ファルイーズ宗谷

 昨日の夜9時過ぎに小樽に上陸し、そのままひたすら北上し手塩で仮眠。朝5時に起床して稚内フェリーターミナルに到着したのは7時ちょっと前。きょうは稚内7時50分発利尻島鴛泊行き15便の予約をしています。フェリーターミナル前のドーム型防波堤では多数のライダーがキャンプを張っている姿を見ることが出来ました。そんな姿を見ながらフェリーターミナル前にクルマを止めるとまずは乗船手続きとなります。


フェリーターミナル前のドーム型防波堤

稚内フェリーターミナル

 フェリーターミナルに入ると、中はかなりの乗客で混雑していました。ただ徒歩客は乗船券を自動販売機で購入出来るみたいなので、人はたくさんいても車両の窓口はそれほど混雑はしていない様子。ちょっと安心しながら、指定された車両輸送申込書に車検証を見ながら記入すると車両受付の窓口へ。この車両輸送申込書には、今日以外の利尻から礼文、礼文から稚内の予約内容も書くことになっているので、全て予約が完了している人は全てのクーポン券を持っていく必要があります。そんな事で申込書とクーポン券3枚を持って車両受付の窓口へ。すると今から乗る分については自動車航走券を、その他の2航路分について予約券みたいなものを発行してくれました。ただしその2航路に乗船するときも、車両輸送申込書は記入しなくてはならないようです。


東日本海フェリーの車両輸送申込書

かなりの人で賑わうフェリーターミナル内

 全ての手続きが終わったのが7時ちょっと過ぎ。乗船開始は徒歩客が出航30分ほど前で、乗用車はそれより少し後と言うこと。このフェリーが同乗者は徒歩客として乗船する事になるので、早めに並んでイイ席を確保してもらおうと、家族3人は一般客の入り口で並んでもらうことに。一般客の乗船口に行くと、まだほとんど並んでいる人もないので、これは空いているフェリーでノンビリ過ごせそうな予感。そんな事でここで一回家族と別れると、クルマをフェリーターミナル前からフェリーの乗船口に移動。フェリーの目の前にクルマを持っていくと、係員の指示に従ってフェリーに背を向ける形でクルマを駐車。駐車すると今から乗船するファルイーズ宗谷は目の前。


それほど並んでいなかった乗船口

今から乗船するファルイーズ宗谷

 そんなファルイーズ宗谷を見ながら、どうしてもナットク出来ないのが、フェリーに対して背を向けてクルマをとめた事。なぜだろう??と考えていたらすぐに出航30分前となり、車両の乗船も開始となる時間です。そうこうしていたら隣のトラックへ係員が来てナニやら話をした後、おもむろにトラックがバックを始めたのです。えっ!!と思ったらそのままトラックはバックを続けフェリーの中へ・・・もしかしてこのフェリーはバックのまま乗船するの??とあっけに取られていたら、横のワゴンも続いてバックのままフェリーへ。ここでようやく、このフェリーはバックで乗船するのが当たり前だと気が付いたのでした。そうと分かるとすぐに自分の乗船の順番です。今回の北海道旅行は荷室に余裕があって、後ろがある程度見えるので何とかバックで乗船しても大丈夫そう。それでも慎重にバックでクルマを進め、無事にフェリーへ乗船。乗船すると家族の待つ2等船室へ。クルマより早く乗船したKeikoさんと子供達は、船首に近い2等船室のスペースを確保してすでにくつろいでいました。


数百mバックして無事にフェリーへ乗船

船首に近い2等船室でノンビリ〜

 そんな事で僕も2等船室でノンビリしようとしたら、いきなり汽笛がボ〜っ!!すぐに外に出てみたら、隣にとまっていた礼文島香深行きのボレアース宗谷が一足早く稚内港を出航したところでした。そんなボレアースの姿を見てから船室に戻ると、いよいよファルイーズも出航の時間。外のデッキに出て離れゆく稚内を見るのもなかなかオツなもの。こういう瞬間を感じられるのが、船旅の良いところかもしれません。


礼文島香深行きボレアース宗谷

離れゆく稚内をバックに

 出航するとお楽しみの船内散策へ。このファルイーズ宗谷は平成13年就航と、まだ就航してから4年程度の比較的新しいフェリーなので、かなり設備が清潔で快適そのもの。このフェリーには1等ラウンジ席と1等和室。さらに2等のシュウタン敷きの部屋と外のイス席があります。今日は北海道にしてはかなり暖かいので、外のイス席で景色を見ながらノンビリと乗船していても快適なはず。そんな事で今日は外のイス席にもかなりの乗客が座っていました。


フェリー後方のオープンデッキ

フェリー中央部の2等船室

 外のオープンデッキから船内中央の2等船室を通ると、正面には案内所兼売店とエントランスとなります。ここには1等ラウンジに上がる階段があって、係員が階段の前に立ってチケットのチェックをしていました。そんな船内の見取り図は案内所左横で見ることが出来るので、まずはこの見取り図を見てから船内を歩いた方がイイかもしれません。


ファルイーズ宗谷の案内所兼売店

案内所横にある船内見取り図

 定刻に出航したファルイーズ宗谷は15分ほどで納沙布岬沖へ。何度か納沙布岬からフェリーは見たことがあるけど、フェリーから岬を見るのは初めて。さらに東の方向を見ると宗谷岬方面まで良く見ることが出来ます。


フェリーから見た納沙布岬

小さく宗谷岬方面も見ることが出来ます

 さらに20分ほど進むと抜海岬も左に見えてきました。今日の日本海はほとんど波も無く、フェリーはほとんど揺れない本当に快適な航海が続いています。そんな快適な航海の中、ジュウタン敷きの2等船室でノンビリとゲームをしたり昼寝をしたりと思いの過ごし方で船旅を楽しんでいると、あっと言う間に時間は9時を過ぎていました。この時点で稚内を出発して1時間半が経過。ここまで来ると利尻山が本当に近くに迫ってきました。


出航して30分ほどで抜海岬沖に

かなり近づいてきた利尻山

 そんな利尻山に見とれていたら8時40分に利尻島鴛泊港を出航したフェリーが見えてきました。さすがに長距離フェリーのように汽笛の交換などはありませんが、十分に肉眼で見える距離ですれ違うので見る価値はあるでしょう。そんなフェリーのすれ違いを見ていたら、あっと言う間に鴛泊港入港10分前に。ここまで来ると利尻山は本当に目の前に。


利尻島鴛泊を出航して稚内を目指すフェリー

目の前に迫ってきた利尻山

 入港10分ほど前になると「車両のドライバーはクルマまでお戻り下さい」とアナウンスがありドライバーは車両甲板へ。このフェリーはクルマの同乗者はクルマで降りる事が出来ず、一般客と同じ扱いにあるので、ここで一時家族とお別れ。一人で車両甲板に降りてクルマに乗ると、程なくファルイーズ宗谷は利尻島鴛泊港に入港。ほとんど定刻に車両ゲートが開くと、感動の利尻島初上陸〜。ここで稚内から利尻島鴛泊港までの1時間40分の船旅は終わりとなったのでした。


感動の利尻島上陸〜

鴛泊港のファルイーズ宗谷

8月10日(火)利尻島鴛泊→礼文島香深行き27便クイーン宗谷

 東日本海フェリー三角航路の2便目の乗船は、利尻島鴛泊13時15分発礼文島香深行き27便。利尻島の「ファミリーキャンプ場ゆーに」でキャンプをして、ポン山登山を楽しんだ後に鴛泊フェリーターミナルに到着したのは12時ちょっと過ぎ。ここでフェリーターミナル目の前にある磯やき亭で「うに丼」とラーメンを堪能。この磯やき亭は地元の人も来る食堂で、かなり混んでいるので入って間違いはないでしょう。


フェリーターミナル目の前の磯やき亭

ウニ丼3,200円

 お腹がイッパイになると時間は出航20分前。ここでフェリーターミナルに入り、車両輸送申込書を記入し窓口で自動車航走券をもらうと手続きは完了。隣の一般客の窓口はかなり混み合っているけど、車両受付窓口は誰も並んでいないので全く待たずに手続き出来るのは高い料金を払って車両を載せる特典でしょうか(笑)。


利尻島鴛泊港フェリーターミナル

右がガラガラの車両受付窓口

 乗船手続きが終了して外に出ると、ちょうど今から乗船するクイーン宗谷が鴛泊港に入港してくる所でした。ここで一般客乗船口から乗船するKeikoさんと子供達は乗船口の列へ。


鴛泊港に入港してきたクイーン宗谷

Keikoさんと子供達は一般客の乗船口へ

 子供達が乗船口に並んだのを見届けると、自分もクルマを乗船口に移動。乗船口に移動すると愛車、フェリー、そして利尻山と一つの画面に収めることが出来てかなりの自己満足(笑)。そんな事をしていたら車両の乗船開始の時刻に。例によってクルマは全てバックでの乗船となるので、一度フェリーの前で方向を変えてからバックのでの乗船開始です。


愛車、フェリー、そして利尻山

バックで乗船するクルマ達

 2度目のバックでの乗船が終わると、車両甲板から階段を上がって2等船室へ。今日も最初に乗船したKeikoさんと子供達が船首に近い場所を確保してくれていました。実際に船室に上がってみると、このクイーン宗谷は東日本海フェリー最古参のフェリー(平成4年6月就航)だけあってかなりの古さが目につきます。それでも古いと言うだけで、船室は清潔さが保たれているのでそれほど気にすることはないでしょう。さらに今回は利尻から礼文のたった45分の船旅なのでなおさら気にする事はありません。そんな事で2等船室で荷物を置く頃、クイーン宗谷は定刻に鴛泊港を出航。出航するとフェリーの近くをカモメたちが餌をねだってすぐ近くまで飛んでくるのを見ることが出来ます。


船首に近い2等船室を確保

カモメが餌をねだって急接近

 カモメを見に外に行くと、すでに出航して15分が経過し徐々に小さくなっていく、利尻山の姿にやっぱり見とれてしまうのです。小さくなっていく利尻山を満足して船内に戻ると、このフェリーのレイアウトはファルイーズ宗谷とほぼ同じで船内中央に案内所兼売店があって、ちょっとしたお土産やお菓子などを買うことが出来ます。


徐々に小さくなる利尻山

クイーン宗谷の案内所兼売店

 船内散策も終わり船室に戻って少しノンビリしていると早くも出航してから30分が経過し礼文島が近くに見えてきました。この礼文島は利尻島とは対照的に、標高の高い山がなく横に広いのが特徴的。そんな礼文島を見ていたら、礼文島香深港を13時45分に出航したプリンス宗谷がクイーン宗谷の左舷側を過ぎ去っていく姿を見ることが出来ました。


近づいてきた礼文島

礼文から利尻に向かうプリンス宗谷

定刻の14時に礼文島香深港に到着
 そうこうしていらすぐに礼文島到着5分前となり「ドライバーは車両甲板のクルマにお戻り下さい」と放送が。今回も僕一人が車両甲板に戻り、ミストラルに乗り込むとクイーン宗谷は定刻の14時ちょうどに礼文島香深港に入港。感動の礼文島上陸を果たすと、ここでとっても短い45分間の船旅は終わりとなったのでした。

8月13日(金)礼文島香深→稚内行き72便ボレアース宗谷

 楽しかった礼文島での3泊の滞在も終わり、礼文島ともお別れの日となりました。今から乗船するのは礼文島香深港9時55分発72便。この72便は礼文から稚内へ直行便ではなく一度利尻島鴛泊港に寄っていく寄港便なので直行便より40分ほど多く所要時間がかかることになっています。しかし別に時間が多くかかっても、最後に間近で利尻山の姿を見ること出来るので、別に狙って寄港便にしたわけではないけど、結果的にこの便にしてヨカッタ、と思いながら9時過ぎには礼文島香深港フェリーターミナルに到着。ここで車両輸送申込書に必要事項を記入し窓口に行って乗船手続きを完了。まだ時間が少し早い事もあってか、フェリーターミナルは閑散としていました。


礼文島香深港フェリーターミナル

閑散としていたフェリーターミナル

 乗船手続きが終わり、クルマを車両乗船口に移動すると、今から乗船するボレアース宗谷が香深港に入港してきました。ここで一般客の乗船口から乗船する家族と別れて、一人クルマで待機しているとすぐに車両の乗船開始時間に。このフェリーは利尻島へ寄港するので、行き先別に車両を乗船する必要があって、稚内に行くクルマをまずは一番奥に乗船させていきます。そんな事で稚内行きのチケットを見せると、すぐに乗船の指示があり、例によってバックで乗船すると、本当にフェリーもの一番奥、それもかなり狭いスペースにミストラルを駐車。


香深港に入港してきたボレアース宗谷

一番奥の狭いスペースに駐車

 クルマから下りて船室に上がろうとすると、数台のクルマがバックで次々と乗船してくるところでした。そんなクルマを見ながら、船室への階段を上がりかなり空いている船首に近い2等船室のスペースを確保。これでこれから2時間半の船旅を快適に過ごすことが出来そうです。


次々とバックで乗船してくるクルマ達

船首に近い2等船室のスペースを確保

 乗船するとすぐに後方のオープンデッキへ。オープンデッキに出てみると、礼文島のユースホステル「桃岩荘」のお見送りの様子を見ることが出来ました。僕が大学生だったから一度は泊まってみたかったけど、もうYHには泊まることはないだろうな〜、と思いながらその様子を眺めているとすぐに出航の時間に。定刻の9時55分にボレアース宗谷は汽笛と共に礼文島香深港を出航。徐々に小さくなる礼文島を見ながら、「また来るぞ〜!!」と思わず心の中で叫んでいました。


礼文島桃岩荘YHのお見送りの風景

徐々に小さくなる礼文島

 出航すると小さくなる礼文を見ながら外にいたら、目の前には餌をねだるカモメ達が目の前を行ったり来たり。そんなカモメの姿を見ているのもまた楽しいもの。そんなカモメの姿を見ていたら、礼文からは見えなかった利尻山が雲の向こうから徐々に姿を現してきてくれました。


餌をねだって近くを飛ぶカモメ達

雲の向こうから利尻が見えてきた

 利尻が見えてきたら、その徐々に近くなるその姿に釘付けになり、そのまま外のデッキにいることに。出航から30分も過ぎると、完全に山頂まで姿を現した利尻山が目の前に迫り、さらに40分後には利尻島鴛泊港内に入りフェリーターミナルも目の前となってきました。


曇りながらも山頂まで姿を現した利尻山

利尻島鴛泊港に到着

 今回は利尻で下りる訳ではないので、港への入港風景もノンビリとデッキから見られるのも寄港便のイイ所かもしれません。そんな事でデッキで景色を眺めていたら、ボレアース宗谷は定刻に利尻島鴛泊港に入港。まずは利尻で降りる乗客の姿を見送ると、今度は降りた乗客の倍くらいの人がボレアース宗谷に乗船。そんな景色をボーっと見ていても退屈ではないのが不思議なところなのです。


利尻島でフェリーを降りる人たち

かなりの人が利尻島から乗船してきた

 かなりの乗客がボレアース宗谷に乗り込むと、出航の時間となって11時ちょうどに汽笛と共に鴛泊港を出航。徐々に小さくなっていく利尻山を見ながら、これで本当に利尻・礼文ともお別れなんだな〜、としみじみと感じながら、雲の中に消えていく利尻山をデッキの上で見ていたのでした。


定刻の11時鴛泊港を出航

雲の中に消えゆく利尻

 鴛泊を出航すると稚内までの所要時間は1時間40分。ちょっと時間があるので、やっぱり船内散策をしてみると、このボレアース宗谷は東日本海フェリーの利礼航路に就航している4隻の中で一番新しく平成15年5月に就航したばかり。それなので4日前に乗ったクイーン宗谷とは対照的に、設備はまだピカピカの状態で乗っていてかなり気持ちイイのです。


ボレアース宗谷の見取り図

案内所兼売店

船内中央の2等船室

外から見た1等ラウンジ室

 そんな快適な船内を一回りして船首に近い2等船室に戻ると、あとの時間は子供達とUNOを楽しんでいたらあっと言う間に稚内到着20分前に。窓の外を見てみると、北海道本土が目の前に迫ってきていました。そんな事で下船の準備をしていたら、早くも「ドライバーは車両にお戻り下さい」との放送が入り、今回も僕一人が車両甲板へ。2等船室から階段を下りて車両甲板に降りてみると、礼文を出発したときは半分くらいしか埋まっていなかったのに、いつのまにか車両で埋まっていてビックリ!


いよいよ北海道本土が近づいてきた

いつの間にか車両甲板は満杯に

 クルマの中で待機していると、ボレアース宗谷は定刻の12時40分に稚内港に入港。自分のクルマが一番奥に駐車していたので、5日ぶりの稚内上陸は入港から10分後となっていました。稚内に上陸すると目の前にはフェリーターミナル前にあるドーム型防波堤が。こうして利礼3角航路の旅が稚内上陸と共に終わったのでした。


5日ぶりに稚内へ上陸

ドーム型防波堤を通りフェリーターミナルへ

初の利礼航路乗船が終わって

 北海道に行き始めて9年目にしてようやく実現した利尻・礼文行き。島自体も素晴らしかったし、船旅もほとんど揺れなかったし、それほど混んでいなかった事もあって予想以上に快適でした。来年以降もまだまだ利尻も礼文も行きたいのだけど、やっぱりネックになるのが車両輸送価格の高さなのです。3角航路だと往復割引のような割引があるものの、5m未満で38,540円もかかってしまうのです。この値段は新潟から小樽までの料金とほとんど変わらない程。もう少し安くなればな〜、と思うのだけど、次回は稚内にクルマを置いていく手段もあるし、いろいろ考えながらまた渡ってみたいと思っています。

おしまい

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