商船三井フェリー「ばるな」乗船記
序章
今回の旅行は往路がフェリーで復路が飛行機と言う面白いツアー。復路が飛行機なので当然クルマはなしで徒歩での乗船となり、私にとってフェリーを徒歩で乗ると言うのは始めての体験となり、それだけでも乗船前からワクワクしていました。このツアーの料金は基本は2等船室ですが、差額を払えば2等寝台もしくは、1等、特等に変更できるので、我が家は1等4人部屋に変更。乗船するのは12月29日で、商船三井のHPでは全等級満席になっていましたが、この旅行会社(船旅専門のクルーズシステム)が船室を予め抑えてあるようで、希望通り1等4人部屋の予約が取れて、あとは出発の日を待つのみとなったのでした。
12月29日(水)
今日の大洗行きに備えて事前に東京の実家に来ているので、お昼過ぎに実家を出れば大洗に到着できるでしょう。大洗の夕便に合わせて東京駅から茨城交通のバスが、大洗港まで行ってくれているので、この東京14時20分発で大洗フェリーターミナルには16時9分着の茨城交通バス(大人2,240円)に乗るつもりでした。
![]() 板橋もすっかり雪化粧 |
しかしこの日の東京は朝から冷たい雨が降りしきり、10時頃には本格的な雪が降ってきました。東京というと雪にはメッポウ弱く、少しでも積もれば高速道路は通行止めになってしまうかも・・・こんなリスクを背負ってまでバスに乗りたくないので、少しでもリスクの少ない常磐線の各駅停車に変更。そうなると少しでも早く出たほうが安全なので、実家を12時過ぎに出発。赤羽までは路線バスに乗り、赤羽からは高崎線に乗って上野へ。 |
上野からは常磐線13時16分発勝田行き普通列車に乗って水戸へ。この常磐線は普通列車なら水戸まで約2時間。しかし特急の「スーパーひたち」なら約1時間。この一時間で特急料金の1,000円+αを払うかは個人の好みなので何とも言えませんが、もちろん我が家は普通列車での2時間の旅を選びました。東京で降っていた雪は、土浦あたりでは雨に変わったのでこのまま水戸も雨かと思いましたが、水戸に近づくとまた雪に変わっていました。
![]() 約2時間の普通列車の旅 |
![]() 雪の舞う水戸駅に到着 |
水戸で常磐線から鹿島臨海鉄道に乗り換えることになりますが、鹿島臨海鉄道のホームに行ってみると、これから乗る列車は1両編成のかわいいディーゼルカーでした。でも車内にはしっかりとトイレまで完備されているのには驚きです。そんな可愛いディーゼルカーに揺られること20分で目的地の大洗駅に到着。ここからは徒歩20分くらいでフェリーターミナルまで行けるはずだけど、今日は天気も悪く荷物も多いので迷わずタクシーに乗車。2回ほど自分のクルマとバイクで使った事のある大洗フェリーターミナルなので、見覚えのある道を走ること数分でフェリーターミナルへ到着。ちなみに料金は基本料金でした。
![]() 鹿島臨海鉄道のディーゼルカー |
![]() ようやく大洗フェリーターミナルに到着 |
フェリーターミナルに到着すると、まずは乗船手続きから開始。通常での乗船の場合、今回利用する夕便は商船三井フェリーと東日本フェリーの共同運航なので、予約した会社の窓口で乗船手続きをする必要があるようですが、今回は団体のツアーで特別の受け付けカウンターがあるので、そちらで受け付けを済ませ、乗船券を受け取るとあとは徒歩客の乗船開始を待つのみ。
![]() |
まずはターミナル2階の待合所の席を確保し、ターミナルの中の散策〜。と思って歩き出したけど、このフェリーターミナルには食堂はあるものの、売店はなくものの5分で完了。船内に持ち込むものがある場合は、ターミナルに到着前に購入することが必要のようです。(と言っても他のフェリーターミナルでも、弁当やおにぎりなどの本当に持ち込みたい商品を売っているのを見たことはありませんが) |
ターミナルを一回りすると次は「ばるな」の撮影へ。雪の降る中傘もささずに「ばるな」の船首と船尾からカメラを向けると、あと半月ほどでドッグ入りとなる「ばるな」は、錆が目立つ姿を雪の中で見せてくれました。この白地にブルーのラインが入った、「ばるな」独特のカラーリングはあと半月で見納めなので、「いい写真を撮らなくちゃ」。なんで半月で見納めかと言うと、次のドッグ入りで「ばるな」の船体には大きな太陽マークが描かれ、船名も「さんふらーさっぽろ」に変更となるからなのです。個人的には「ばるな」の方が良いのにな〜と思ってるけど、こればかりは仕方ありません。
![]() 錆が目立つ「ばるな」 |
![]() このカラーリングもあと半月で終わり・・・ |
「ばるな」の撮影から戻ると時間は5時ちょうど。この時間から乗用車の乗船が開始となり、お待ちかねの徒歩客の乗船は5時半とのこと。待合所のテレビを見ながら30分を過ごすとようやく「徒歩客の乗船開始です」とのアナウンスがあり、待合所の乗客が一斉に乗船口へ。今日は全等級が満席というだけあって、かなりの人数が一斉に乗船口へ向かい人の渋滞が起こるほど。そんな人の列に入り、とっても長い人道橋を渡ると待ちに待った「ばるな」の船内へ。人道橋の終わりで係員にチケットの半券を切り取ってもらい船内へ、と思ったら人道橋と「ばるな」の隙間で運悪くチケットがひらひらと強風に煽られて外へ飛び出し、絶対に回収の出来ない「ばるな」の横っ腹にピタ!半券を切り取ってもらった後でヨカッタ〜と思いながらも船内の案内所で事情を話すと笑顔で乗船させてくれました。
![]() とっても長〜い大洗の人道橋 |
![]() 「ばるな」の案内所 |
案内所で今回利用する1等B室の部屋のカギを受け取るとお楽しみのお部屋へ。この「ばるな」の1等B室は案内所と同じフロアーの船尾側に配置されていて外側には1等B室。通路を挟んだ内側には2等室が配置されています。それなので階段も上がらずに部屋に行くと、今回の我が家が予約出来ていた部屋は進行方向右側なので、航行中に陸地が見えない方向でありちょっとガッカリ・・・でも安いツアーだから仕方ないかもしれません。部屋に入ると、部屋の配置は新日本海フェリーの1等洋室4人部屋と同じながら、奥の小上りが少し広いように感じられます。さらにベッドの枠が木製であるのもかなりイイ感じ。備品もタオルは安物ながら持ち帰り可能(SNFは数年前から持ち帰り不可)だし、アメニティーセットという歯磨きやヒゲソリのセットまであるのです。ただしだからと言って、これが無い新日本海フェリーよりサービスがいいか?と言われればそれはNO!なのです。それはなぜかと言うと、フェリーの料金を比較してもらうと良く分かるでしょう。
| 会社名 | 航路 | 距離 | 料金(クルマ5m未満+ドライバー2等運賃) | |
| 通常期 | 繁忙期 | |||
| 商船三井フェリー | 大洗→苫小牧 | 758km | 23,000 | 29,000 |
| 新日本海フェリー | 新潟→小樽 | 704km | 18,800 | 19,800 |
| コスト差 | 4,200 | 9,200 | ||
注 料金は2005年1月現在
![]() 1等B室前の通路 |
![]() 木製ベッドが好印象な「ばるな」の1等B室 |
部屋に入って少しくつろぐと、次は食事の前にお風呂へ。「ばるな」のお風呂は船尾側の2階に位置しているので、1等B室からは船尾の階段を上ればすぐの場所にあります。乗船開始からまだ間がないので空いているかも、と期待していくとまさに期待通りでガラガラの状態。この「ばるな」のお風呂は数年前に乗った旧「れいんぼうべる」と同じようにすごく広く、洗い場が15ヶ所以上もあってサウナも完備。脱衣場も広い、と言うことなし!なのです。
![]() 最上階のレストラン入り口 |
そんな素晴らしいフェリーを運航していた東日本フェリーがなぜ会社更生法を申請することになったのだろう?(この「ばるな」はもともと東日本フェリーの持ち物だったのだけど、数年前に商船三井に移ったのです)などと思いながら、快適なお風呂で汗を流すと、次はフェリーでの一番のお楽しみと言っても良い、レストランでのお食事タイムです。この「ばるな」のレストランは最上階のフロアにあって、入り口で大人1,600円、子供1,000円を払うと食べ放題となるバイキングスタイル。 |
商船三井の他のフェリーは、バイキングに使うお皿が紙製という事で悪評を買っているらしいけど、この「ばるな」は陶器製の立派なお皿でした。実際にお皿を手にして料理を選んでいくと、どれもおいそうなものばかり・・・思わずたくさん取りすぎてしまいそうだけど、お代わりも出来るから最初から欲張ることはなさそうです。料理を自分のテーブルに持ってきて、「さて次はビール」と思いレストランにある自販機でビールを買うと、スーパードライのロング缶(500cc)が300円という良心的な価格に感激!料理と言いビールの値段と言い、この「ばるな」のレストランは気に入りました。
![]() かなりいい感じだったレストラン |
![]() こんなに食べるの〜という位取ってしまった・・ |
レストランでゆっくりと食事をしていると、時間は定刻の18時半に近くなり、フェリーの中に「蛍の光」が。ここでようやく気が付いたのが、「あれれ・・・さんふらわ〜、さんふらわ〜♪が流れていない」。そうなんです。商船三井のフェリーに乗るとイヤと言うほど(笑)聞かされる、例の曲が「ばるな」の船内では流れていませんでした。それは年末年始だから?それとも共同運航船の「ばるな」だから???聞きたくないようで、聞きたいようでという、複雑な心境だったけど、せっかく商船三井のフェリーに乗ったのだからやっぱり聞いてみたかったような・・・そんなことを思っているとフェリーはゆっくりと大洗港を出航。出航しても楽しい食事タイムは続き、結局部屋に戻ったのは19時を少し回っていました。部屋で食休みをすると、次は船内探検へ。まずは19時に営業を開始した案内所横の売店へ行くと、面白い物を発見。これは商船三井のHPでも紹介されていた「プルプルさんふらわー」というおもちゃ。これは面白そう!と言って思わず買ってしまいましたが、実は商船三井のHPを見て、かなり欲しかったのです・・・
![]() 船内の売店19時〜21時半、 翌日8時〜12時半が営業時間です。 |
![]() 乗船前から目を付けていた(笑) プルプルさんふらわー |
売店で買い物すると、まだまだ船内探検は続きます。案内所前のエントランスやゲームコーナーなどを見て回りましたが、このフェリーもかなり豪華な作りで、GWに乗った同じさんふらわーの関西汽船よりも数段立派な印象を受けました。
![]() 案内所前のエントランス |
![]() ゲームコーナー |
船内探検に満足して部屋に戻ったのが9時ちょっと前。さっそく売店で買った「プルプルさんふらわー」を袋から取り出し、動かしてみるとこれはかなり笑えます。もし商船三井のフェリーに乗船する機会があれば、これは買って損は無いかもしれません、と言うより我が家的に言ってかなりのオススメです。
![]() 21時50分時点はいわき沖でした |
そんな「プルプルさんふらわー」でひとしきり盛り上がると時間は10時頃。部屋のテレビで現在位置を確認すると、出航して約3時間ほどで、早くも福島県のいわき沖まで来ていました。この頃になると東京に雪をもたらした低気圧の影響で、フェリーは揺れが激しくなり手すりを掴んでいないと、まっすぐに歩けないほど。そんな揺れを感じながらも、誰一人気分が悪くならないのは、やっぱり船旅を数多く経験したからに違いありません。そんな事で大きな揺れを感じながらも、11時過ぎには快適なベッドに横になり楽しい船旅一日目は終了したのでした。 |
12月30日(木)
昨日は11時過ぎに寝たというのに、やっぱりいつものクセで目が覚めたのは6時半。朝起きてみると昨日の揺れがウソのように、海は凪状態でまるで夏の日本海を航行しているかのようです。ベットから出るとまずは部屋のテレビで現在位置を確認したら、青森県の下北半島沖まで来ていました。ここまでくると北海道はもうすぐそこ。部屋から出て案内所前に行き、左舷側の窓を見てみると素晴らしい青空の下、下北半島を見る事が出来ました。
![]() 6時半の時点で下北半島沖を航行中 |
![]() 青空の下で見ることが出来た下北半島 |
![]() フェリーでのお楽しみは、やっぱりビール |
フェリーでの朝のお楽しみといったら、やっぱりビールをプシュ!自分のクルマと一緒に乗船していたら、車載の冷蔵庫にビールをたくさん積み込んであるけど、今回の船旅は徒歩なので案内所前の自販機で発泡酒を購入。この発泡酒の価格も地上とほとんど変わらず良心的なので、思い存分ビールを飲むことが出来るから車載冷蔵庫は必要ないかもしれません。 |
ビールを楽しみながら、食べた朝食はいつもの通りカップラーメン。我が家にとってフェリーに乗ったら、1食だけはレストランで食べるけど、それ以外はパンやおにぎり、カップラーメンを持ち込んで済ませることに決めています。そんな事で船尾側にある給湯室でお湯をもらって、カップラーメンを食べ始める頃に子供たちも眠い目をこすりながらも起き出してきました。
![]() 船尾側にあった給湯室 |
![]() 子供たちも7時過ぎには起床 |
朝食を食べ終わると、ビールの酔いにまかせて朝寝〜・・・これが許される船旅って本当に気分の良いもの。そんな事で8時前から二度目の睡眠をしていたら時計の針は10時過ぎに。私はこの時間寝ていたけど、子供たちは部屋のテレビをつけていましたが、この航路は陸地の近くを比較的航行しているので、地上波の放送を見ることが出来たようです。さらに10時前には「ちびまるこちゃんの映画を放映します。」と船内アナウンスがあり、部屋のテレビでも「ちびまるこちゃん」が始まりました。
![]() 映画を見ながら部屋でのくつろぎの時間 |
我が家は映画館で映画を見るということはほとんど無いのだけど、フェリーで見た映画というのはかなり印象に残っています。しかし去年から新日本海フェリーが部屋での映画放映を止めてしまったのでかなり残念に思っていました。でも商船三井フェリーでは今でも部屋のテレビでも映画は見られるようです。始まる前は「ちびまるこちゃん」か〜と言っていた私も、結局最後まで見てしまい、気がつくとそろそろ下船時間が迫ってくる12時になっていました。 |
昼食も朝食と同様に船内に持ち込んだパンなどを食べていると、フェリーは苫小牧港内に入ってきました。そんな外の様子を部屋の窓から写真を撮りましたが、窓の外には塩がびっしり着いていて使い物にならないものばかり・・・それでも数枚移していると、苫小牧フェリターミナルに来ている太平洋フェリー「いしかり」を発見。本当は「いしかり」で北海道に来たかったな〜・・・でも「ばるな」もすごく快適だったし、太平洋フェリーは次の宿題だけど、太平洋フェリーに乗るとしたら1月に就航予定の「ニューきそ」でしょう。
![]() 窓の外には塩がびっしり 一応苫小牧港内に入った所です。 |
![]() 苫小牧フェリーターミナルの 太平洋フェリー「いしかり」 |
ばたばたと荷物の片付けをしていると、「本船は定刻通り苫小牧港に入港致しました」との放送が。その後も20分くらい部屋で待たされた後で、ツアーの団体客は案内所前に集合。
![]() 長い人道橋を渡って苫小牧フェリーターミナルへ |
ここでツアー客が全員揃うと案内所前のエスカーレーターを降りて、快適だった「ばるな」を後にし、長い人道橋を渡って明らかに8年前から新しくなった苫小牧フェリーターミナルに到着。ここで冬は初体験となる、北海道航路の船旅は大満足のうちに無事に終了したのでした。 |
旅が終わって
なかなか乗る機会の無い冬の北海道航路で、かなり揺れる事を覚悟していきましたが、予想に反してかなり快適な船旅を満喫することが出来、かなり満足度の高い船旅となりました。「ばるな」は初体験でしたが、数年前に乗ってとっても素晴らしかった旧「れいんぼうべる」と同じような作りで、フェリーとしてはかなり快適度の高いフェリーだと断言できます。この航路は我が家にとっては夏の旅行では使いづらいと思っていましたが、北海道滞在を半日短くすれば十分に使えそうであることが分かりました。今回ツアーを企画した船旅専門の旅行会社さんを通じて予約すれば、夏のピーク時も予約が取れるかもしれない(ただしこの旅行会社さんは、フェリーの予約だけでは受け付けてくれず、北海道滞在中の宿を1泊以上つけなくてはなりません)ので、この航路も選択肢に入れてみようかな、と思っています。
おしまい。